flowery
17 July 2012
風ノ旅ビトがとても面白かったので、同じゲーム会社からリリースされていたこのfloweryもかなり期待して購入しました。
3D酔いする方には厳しい操作感でしょうが、自分は楽しく遊べました。風ノ旅ビトとはまた違った疾走感が味わえますね。
起動画面で流れる曲(この曲です)を聴いた瞬間、これは耳コピせねばなるまいと張り切ったものの、別の曲に取りかかっていたので暫くお蔵入りになっていました。
その内PS Storeでサントラが販売されている事に気付き、速攻で購入してきました。
サントラ版とゲーム版ではちょっと違った構成になっているのですが、自分はこのゲーム版の方にハマったので聴音もこちらにしました。
今回は個人的に演奏し易いラシミに♭の配置だったので、相対音感な自分でも思った通りの音で聴音できました。Nascenceと同様で譜面はそれ程難しくなかったので、くり返す度に音色変更する事にしてタッチ奏法を変えていく事で表情をつける事にしました。
原曲はギターとストリングス+αのシンプルな構成だったので、一回目はそれを踏襲しました。例によって例の如く、ギターの音色は使っていません。
弦をはじくという動きなのでイニシャルで強弱をつけ、アフターはゲージこそMAXですが、ほぼ入らないようにしています。
二回目はエレクトリックピアノを中心にした音色でまとめてみました。指の力のないのを補うために、いつものように隠し音源を入れてあります。
タッチは、今度はイニシャルは可変で、アフターをそこそこ入れています。入れ過ぎて殴り弾きにならないよう注意しました。
三回目はやはりホリゾンタルタッチがないと寂しかったので、減衰しない音を当てる事にしました。何にしようか散々迷って、最終的にオカリナの音に落ち着きました。
オカリナはピッチが不安定(?)な楽器のようだったので、最初はそれを踏まえて上げ気味に演奏していたのですが、不協和音っぽくなって美しくなかったので、最終的に控えめのピッチ変更といつものベンドで整えました。
タッチはイニシャルで息の吹き込むところを、アフターで強さを、Hビブラートではビブラート、Hピッチベンドでは揺らぎを、そしてリリースタッチで息継ぎを表現しています。
ちょっと苦労したのは、イニシャルを入れながらレガートに弾くパターンと、イニシャルなしでレガートに弾くパターンの弾き分けでした。スライドをかなり強めに入れているので、しっかり弾き分けないとだらだらした演奏になってしまうのです。
それと見辛い&判り難いですが、ほんの少しだけ両足ベースとペダルのタッチ奏法にも挑戦しています。
実は素早い動きの左足の方がタッチ奏法はメリハリをつけ易いのです。この曲ではずっと踏みっ放しなので、脱力するのはかなり難しかったです。
BPMがかなりのんびりペースなので、十六分音符のところが走りそうになるのも地味に注意ポイントでした。
Journey™
30 May 2012
この曲はNascenceの耳コピ完了後すぐに取りかかっていたのですが、流石は風ノ旅ビト中一番の白眉、なかなか一筋縄ではいきませんでした。
倍音や変則な和音が多く、同じフレーズを何度も何度も聴き返しましたが、どうしても聴き取れず不明なままのところが幾つか残ってしまいました。違和感のあるところはスルーして下さい。
まず最初に拘ったのが女声の部分です。
Nascenceのチェロでも再現していますが、今度は人間の声なので微妙なピッチ変更をなるべく聴音の段階で拾うようにしました。
それから何の音を充てるのかも重要でした。しかしこれはほぼ最初に決めた通りの音に落ち着きました。この曲を聴いた時にぱっと浮かんだ音色です。息遣いを調節するのにメインの音の他、VA音源でイニシャル用に隠し音源を使っています。
同じ音のままでは飽きがくるので、繰り返し、サビ、ラストと全て細かく変更しました。特にサビの部分は日本語で歌われてもいて、特徴的なビブラート感を出すのに四種類の音色を組み合わせています。
0:19からのストリングスはイニシャルとリリースタッチのコンビネーションで弾むような効果を出しています。アフタータッチが入ってしまうと音圧が変わってしまうので、余計な力が入らないよう注意しました。
1:07からは上段を左手で、下段を右手で演奏する事にしたのですが、これが非常に弾き難かったです。主旋律を左手で演奏するのは未だに慣れられません。
それと地味ながら左足のベースで、鐘の音の時はペダルからすぐ足を離すようにして残響が無駄に残らないように気をつけています。細かくレジストレーションをチェンジしていくので、残響があるといかにもぶちっと途切れた感が強く出てしまうのです。
繰り返しのフレーズでは余りベンドを前面に出さず、イニシャルとアフターを使ってメリハリをつけました。
2:37からの、二回鳴る鐘の音(左足で発音)には細心の注意を払いました。デフォルトであるChimeの音は気に入らなかったので、かなり改造してあります。
二回目の発音のあと、SONGを変更するために右フットスイッチを蹴っているのですが(これはエレクトーン奏者なら体験した事が多々あると思うのですが)、VA音源を読み出すほんの僅かのラグが非常に厄介でした。速過ぎても遅過ぎても音が一瞬途切れてしまい、蹴るタイミングが非常にシビアでした。
2:45からの松尾芭蕉の俳句部分では殴り弾きにならないよう、左足はイニシャルとアフターを機械的に、左手はイニシャルとアフターを柔らかめに、右手は遅めのイニシャルと速めのアフターとホリゾンタルタッチ・ビブラートを速度を変えつつ、ホリゾンタルタッチ・ピッチベンドを適宜入れています。
文章で書くととんでもない感じですが、演奏もとんでもない事になりました。しかし一番力を入れたいフレーズでもあったので、ベタ弾きにならないよう、右フットスイッチを蹴るタイミングがつられないよう頑張りました。
3:17からのフレーズではそろそろ右手が限界になってきたので、2nd EXP.でベンド(音を曲げる)し、まだ余力の残っている左足でコントラバスの旋律を演奏しています。このベンドもなかなか曲者でした。普段はホリゾンタルで音を曲げる事が殆どだったので、適切な位置まで奇麗に曲げるのに多少苦労しました。
2nd EXP.使用中はボリューム操作ができないので、その間はアフタータッチを使って音圧を変えています。
右足を戻したあともボリューム操作は最小限に留め、アフタータッチをどんどん抜いて擬似的に音量が下がったようにしています。
ここで二番目のSONGも枯渇し、三番目のSONGへ遷移しています。
最後のフレーズは本来はオクターブで演奏するべきなのでしょうが、生憎小さ過ぎる手の持主なので正確なタッチ奏法を優先し、レジストレーションでオクターブを設定しています。
ラストのフレーズは公式では小さく鐘を連打しているのですが、それでは侘び寂びがないと思い、敢えてあのように変更しています。
最終的に非常に難しくなりましたが、自分の表現できる全てを注ぎ込めたので楽しく有意義なものになりました。
Journey™
24 April 2012
この曲は、たまたま友人から勧められたゲームの主題曲で、一聴してすっかりはまってしまいました。
実はゲームをプレイするより前にiTunes Storeからサントラを購入し、耳コピをしました。
今までの耳コピだと聴音に相当の時間が取られるのが常だったのですが、この曲は1:47という短時間なのもあって、ほぼ二日で聴き取りを終える事ができました。
旋律そのものは、チェロとハープとフルートとストリングスという実にエレクトーン向きの構成だったので、演奏し易かったです。
ただベタ弾きすればかなり簡単な楽譜なのですが、なるべく原曲のイメージを損なわないよう、いつもの通り各種タッチで表情をつける事に注意しました。
イントロのチェロと続くフルートは単音だけだと音圧が足りなかったので、それぞれ三つの音源、二つの音源で音色を作ってあります。
ビブラート(波打つ音)とベンド(緩やかに曲がる音)は全てホリゾンタルタッチで表現しています。
それとチェロに関してはほんの僅か、ピッチを下げ続けるためにも使用しています。
これが結構難しかったです。アフタータッチを入れながらなので、うっかりすると曲がり過ぎて違和感のある音になったり、逆にホリゾンタルタッチ・ビブラートが奇麗に入らなかったりして、何度もやり直しました。
左手で演奏しているハープの音も、それだけだとかなり堅い音で聞き苦しかったので、別の音源を混ぜてマイルドにしてあります。
今回は早く公開したかったので音の内側から改造するボイスエディット機能は使わず、あくまで各種タッチとリバーブなどで変化をつけました。
1:05〜の主旋律はフルートとバイオリンの二重奏なのですが、レジストレーション・メモリーを移動するごとに徐々にバランスを変えていっています。フルートが段々埋没し、代わりにバイオリンが前に出てくるように設定したのですが、案の定書き出したら潰れてしまいました。
1:29〜で右手がオクターブ上に上がっているのに音の高さが変わっていないのは、FEETを16'に下げ(オクターブ下に下げる意)、続く下鍵盤を演奏するためです。
同様にTRANSPOSEという機能を使い、原曲ではドとファの♯だったのを強制的にソラシレミに♭という配置に変えてあります。